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The Atragene World

Atrageneや,viornaグループの種子の発根発芽育苗方法や挿し木や接木などの栄養繁殖法についてレポートします。また、山野草、クリスマスローズ等についても紹介します。

発芽間もないクリスマスローズ、ゴールドのセミダブル x ゴールドダブルの子葉の先端部分が病気!Shoot tipを培養してみる! 

冷たい雨が続くと雨ざらしの状態で管理している早期発芽組の芽生え達、中には軟腐病や灰色カビ病に侵されてしまうものもある。下の画像は子葉の一部が黒変し、軟腐病にでも罹病し始めた様に思える。
幼苗を掘り起こした後、双眼実態顕微鏡で観察すると茎頂部分の組織は大丈夫のようだった。
そこでshoot tipの部分を大きく採取し、無菌的に培養することにした。実生ゆえ、幼苗の形質は不明だが、セミダブルかダブルに成るものと思われる。茎頂培養により増殖したら一部をフラスコより出して順化して、開花させて形質を確認すればよい。


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こちらは培養中の組織切片。PPM(Plant Presavative Mixture)使用
      ↓

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より鮮明な画像をご覧頂くには画像をダブルクリックして下さい。
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クリスマスローズ、helleborus x hybridusの茎頂培養(続報) 

クリスマスローズの場合、成長の旺盛なこの時期、バルブの腋芽および頂芽は内生菌に汚染されていることが多く、マニュアル通りにPPMを使用しても無菌化が極めて難しいことがあります。
PPMは抗生物質と異なり耐性菌が出来難いと言うことですが、helleborusの場合は、マニュアル推奨の方法では成功率が極めて低いため処理方法について再検討を行いました。その結果、helleborusの茎頂の無菌化が高い確率で可能になりました。
以下、3月7日に採芽を試みたものの現在の様子を画像で紹介します。

meristemcultureofhelleborus0905201201.jpg

meristemcultureofhelleborus0905201202.jpg

Helleborus odorusの若いバルブにある腋芽の無菌化の試み! 

tissue cultureofodorus2002201201

内生菌の除去に効果が期待されると言うバイオサイドを入手したので、H.odorusの若いバルブを用いて試験を試みることに致しました。この物質は熱に安定でオートクレーブ可能と言うことですが、デスポの細菌ろ過器を用いて無菌ろ過し、培地に添加することに致しました。
画像は次亜塩素酸溶液で殺菌する前の若いバルブです。殺菌終了後、滅菌水でよく洗浄し、双眼実態顕微鏡を用いて頂芽や腋芽を摘出します。摘出した芽は適当な濃度のバイオサイド溶液に一定時間漬け、内生菌を除去すと言うものです。さて、効果の程は?


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熱に不安定な抗生物質や植物生長調整物質などをクリーンベンチ内で無菌的に添加するときに使用している。

クリスマスローズ dd Black sdl (G.Birkin)茎頂培養のための予備培養 

実生苗で購入したグラハム・ビルキン系統のdd Black doubleの休眠芽の苞葉を12/15に双眼実態顕微鏡下でピンセットとメスを用いて1枚ずつ剥がして行くと、5~6枚剥がしたところで、したの画像のような幼植物体が出てきました。休眠芽の表面は殺菌剤で殺菌し、無菌水で2回洗浄してありますので、クリーンベンチ内で作業している限り、この幼植物体は理論的には無菌なのですが、念のため、顕微鏡下で、低濃度の次亜塩素酸水溶液で今回は約60秒間殺菌しました(顕微鏡でチェックしながら、)。その後、無菌水で2回洗浄して多芽体誘導培地に置床致しました。
今回は、この実生株、まだ花を確認しておりませんので、この状態でとりあえず培養を開始します。
花が優れたものであれば、この無菌植物体から成長点を摘出し、成長点培養を開始します。

今回の場合、成長点培養のための頂芽を摘出するには、顕微鏡下で幼葉を2本のピンセットを用いて除去して行きます。すると、付け根の部分に成長点が裸出してきます。先端の成長点を0.3~0.5mmの大きさにメスを用いて摘出すればOKです。
ただし、クリスマスローズの培養体は褐変し易いので迅速に摘出することが大切です。
培養に際しては特に注意が必要ですね。

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こちらは培養中の幼植物体です。


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こちらは購入時の苗です。
いい花であって欲しいですね。